台風や地震による停電が長期化した場合、家庭用の蓄電池は生活に必要な電力を確保する手段のひとつになります。蓄電池の導入を検討する際は、ご家庭でどの設備を使いたいかを整理することが出発点です。
ただし、容量が大きい製品であっても、停電時にすべての家電を普段どおり使えるとは限りません。給電範囲、太陽光発電との連携条件、設置場所、導入後の運用方法も確認する必要がございます。
株式会社ワン・ミニットは、ご家庭の電気使用状況に合わせた太陽光発電や蓄電池のご提案を行っております。この記事では、イエオモイから戸建て住宅にお住まいの方へ、災害対策として導入する前の確認事項を整理いたします。
災害対策の蓄電池導入で押さえたい要点
災害対策の蓄電池選びでは、使いたい家電と住宅条件に合わせて、容量・出力・給電範囲・施工・運用を確認します。
- 容量(kWh)に加えて、自立運転時の出力(kW)と対応電圧を確認すると、停電時に使える家電を整理できます。
- 全負荷型と特定負荷型は、停電時に電気を届ける回路の範囲が異なります。
- 太陽光発電との連携では、停電中の充電可否と、夜間・悪天候の制約を確認します。
- 設置場所の浸水リスク、離隔距離、保証の適用条件は施工前に確認します。
- 株式会社ワン・ミニットは、ご家庭の電気使用状況に応じた導入のご提案を行っております。
停電時に使いたい家電から蓄電池の要件を考える
蓄電池の要件は、「停電時にどの家電を使いたいか」という優先順位から整理します。冷蔵庫、照明、スマートフォンの充電など、生活を維持するために必要な設備を書き出してください。
Wi-Fiルーターに給電できても、通信回線側の設備が停止していれば通信できない場合がございます。家電への給電と、外部のインフラが使えることは分けて考えます。
エアコンや電子レンジ、IHクッキングヒーターなどは消費電力が大きくなる場合があり、同時使用で蓄電池の出力上限を超える可能性があります。使いたい家電の消費電力と電圧は、取扱説明書や本体の表示で確認してください。
容量(kWh)と出力(kW)の違いを把握する
容量(kWh)は蓄えられる電気の量、出力(kW)は一度に取り出せる電力の大きさを示します。水のタンクを例にすると、容量はタンクの大きさ、出力は蛇口から一度に出せる水の量に相当します。
容量に余裕があっても、自立運転時の出力が家電の必要電力を満たさなければ使えません。通常運転時の仕様だけでなく、停電時の定格出力と、モーターなどの起動時に必要な電力への対応も確認します。
公称容量のすべてを家電に使えるわけではございません。停電時に取り出せる電力量の指標と測定条件、停電開始時の残量、経年劣化なども考慮する必要があります。容量と使い方の記事では、使用時間の考え方も整理しております。
停電時の給電範囲を決める全負荷型と特定負荷型
全負荷型と特定負荷型の違いは、停電時に電気を届ける回路の範囲です。ご家庭の分電盤の構成と、必要な家電の設置場所を合わせて確認します。
全負荷型でも同時に使える電力には上限がある
全負荷型は、家全体の回路へ給電する構成です。各部屋の照明やコンセントを使いやすい一方、すべての家電を同時に動かせるという意味ではございません。
同時使用できる電力は、自立運転時の出力などに制限されます。全負荷型でも、使用する家電を絞れば消費を抑えられますので、「全負荷型だから必ず残量の減りが速い」とは言い切れません。
200V対応の有無は機種と構成によって確認します。200V機器でも必要な出力や運転条件を満たす必要がございます。エコキュートの断水時対応のように、電気が使えても水の供給条件によってできないことがある点にもご注意ください。
特定負荷型は給電する回路を施工前に決める
特定負荷型は、あらかじめ指定した回路へ給電する構成です。冷蔵庫や照明など、停電時に必要な設備へ給電する範囲を絞って計画できます。
対象にできる回路数や電圧は機種と施工内容によって異なります。「特定負荷型」という名称だけで判断せず、使いたい家電の回路が対象に入るかを確認してください。
冷蔵庫のコンセントと、同じ部屋のほかのコンセントが別回路になっている場合もございます。施工前に対象回路を確認し、完成後は使えるコンセントを家族で共有しておくとよいでしょう。
自動切替と瞬断への対応を確認する
停電時の切り替え方法は、自動か手動かを機種ごとに確認します。手動操作が必要な場合は、操作場所と手順も事前に把握しておきます。
自動切替であっても、切り替え時に一時的に電気が途切れる「瞬断」が発生する場合がございます。切り替え時間は機種によって異なるため、蓄電池を無停電電源装置と同じものとして扱わないことが大切です。
電源断で作業内容が失われるパソコンなどは、UPS(無停電電源装置)の利用も検討します。在宅医療機器については、蓄電池だけで対応できると判断せず、主治医と医療機器メーカーへバックアップ方法をご相談ください。
太陽光発電との連携で確認したい充電条件と制約
停電中の再充電を考える場合は、太陽光発電と蓄電池の接続構成が、自立運転中の充電に対応しているかを確認します。太陽光発電との組み合わせには、昼間の発電を夜間の電力確保につなげられる可能性があります。
ただし、すべての組み合わせで停電中に充電できるわけではございません。太陽光発電の設備がすでにある場合も、後付けする蓄電池との適合を確認する必要があります。
停電中の充電可否は型番と接続構成で確認する
停電中の充電可否は、パワコン(パワーコンディショナー)と蓄電池の型番、接続構成によって判断します。パワコンは、発電した電気を住宅で使える形に変換するなどの役割を持つ機器です。
太陽光と蓄電池を1台で制御するハイブリッド型か、それぞれにパワコンを持つ構成かという分類だけでは、すべての運転条件を判断できません。施工店へ「停電中に充電できるか」「家電への給電と充電を同時に行えるか」を確認してください。
蓄電池を使い切った翌朝に、太陽光から運転を再開できる条件も確認しておくとよいでしょう。長期停電を想定する場合は、充電できることに加えて、再起動の条件まで確認します。
夜間や悪天候では太陽光の発電を前提にしすぎない
太陽光発電は日射が必要なため、夜間には発電できず、曇天や雨天では十分な電力を確保できない場合がございます。昼間に発電できても、その電力を家電で使えば充電に回せる分は減ります。
太陽光と蓄電池があっても、停電中の電力を無期限に確保できるとは限りません。夜間の使用を優先する家電と、発電量が少ない日に控える家電を決めておくことが大切です。
株式会社ワン・ミニットは、ご家庭の電気の使い方に応じた導入方法をご提案しております。セット導入と段階導入についても、停電時に求める機能と合わせて検討します。
設置場所・施工条件・保証で確認しておきたいこと
蓄電池の導入前には、電気的な仕様だけでなく、設置環境、施工条件、保証の適用範囲も確認します。災害への備えとして導入する機器だからこそ、本体が被災しにくい設置計画が重要です。
浸水リスクと設置高さを確認する
設置候補場所の浸水リスクは、自治体のハザードマップなどで確認します。想定浸水深に加え、配線や関連機器がどこに設置されるかも施工店へ相談してください。
国土交通省と経済産業省の建築物の電気設備の浸水対策ガイドラインでは、浸水リスクの低い場所への設置などの対策が示されています。住宅の蓄電池では、メーカーの施工条件と、ご自宅の浸水リスクを合わせて判断します。
かさ上げなどを検討する場合も、基礎の強度や固定方法を含めた施工計画が必要です。自己判断で台を追加するのではなく、施工店へご相談ください。浸水した機器には触れず、再起動せずに、販売店・施工店・メーカーへ連絡します。
離隔距離と設置環境をメーカー条件に合わせる
設置スペースは、本体の大きさだけでなく、メーカーが指定する離隔距離(壁や障害物との間隔)と点検の作業スペースを含めて確認します。通風や放熱を妨げないことも重要です。
日射、使用温度、積雪、塩害などの条件は、製品の設置基準に合わせます。屋外用であることと、すべての屋外環境に対応できることは同じではございません。
屋内に設置する場合も、床の耐荷重や換気、搬入経路などの条件を確認します。住宅の点検と合わせて、周辺の配線や設置面の状態も確認しておくとよいでしょう。
機器保証・容量保証・施工保証を分けて確認する
保証は、対象となる故障や容量低下、施工不具合を分けて確認します。保証の名称や範囲、期間、容量の測定条件はメーカーや契約によって異なります。
容量保証がある場合は、何を基準に容量低下を判断するか、どの程度の低下で対応対象になるかを確認してください。保証期間だけを並べても、条件が違えば同じ内容とは判断できません。
自然災害による損傷、出張費や交換工事費の扱い、保証登録の要否、連絡窓口も確認します。災害による故障が機器保証の対象になるとは限らないため、保険の補償範囲も契約内容に基づいて別途確認してください。
導入後にご家族で確認しておきたい運用のポイント
停電時に蓄電池を使うためには、非常用残量の設定と、停電・復電時の操作を家族で共有しておく必要があります。設置後に施工店から説明を受け、取扱説明書を確認してください。
非常用残量は防災と日常利用のバランスで決める
非常用に残す電力を設定できる機種では、設定値と運転モードの関係を確認します。残す量を増やすと、日常の充放電で使える電力量が減る場合がございます。
例えば残量30%を確保できる設定があっても、それで何時間使えるかは、実際の容量と使用する家電によって変わります。表示される割合が何を基準にしているかも、機種の説明で確認してください。
天候予報などに合わせた充電機能がある場合は、利用条件も確認します。自動機能があるから必ず満充電で停電を迎えられる、と考えないことが大切です。
停電時と復電時の手順を共有する
家族で共有したいのは、使えるコンセント、使用を控える家電、残量の確認方法、切り替え手順です。手順は紙にもまとめ、停電時にスマートフォンの通信に頼らず確認できるようにしておきます。
復電後に通常運転へ戻る方法も、自動か手動かを機種ごとに確認してください。運転モードやエラー表示がわからない場合は、自己判断で配線や本体内部に触れず、施工店やメーカーへ連絡します。
在宅医療機器を使用する方は、必要な継続時間、切り替え時の電源断、避難や連絡の方法も含めて、主治医と医療機器メーカーへ相談しておく必要がございます。
状態の確認と点検方法を把握する
日頃の確認と点検は、メーカーが定める方法と頻度に従います。残量、充放電の状況、エラーの有無など、使用者が確認できる項目を施工店へ聞いておきます。
自立運転を試す場合は、取扱説明書や施工店の案内に従ってください。自己判断でブレーカーを操作して停電状態を作ることは避けます。蓄電池選びの確認項目と合わせて、導入後の点検窓口も確認します。
ご家庭に合った災害対策を進めるための確認事項
災害対策に合った蓄電池を選ぶには、見積もりの機器仕様と施工内容を、ご家庭の使い方に照らして比較します。蓄電池以外の備えも組み合わせて考えてください。
見積もり時に施工店へ伝える情報
ご家庭の条件を整理すると、必要な機能について具体的に相談できます。以下の情報を準備するとよいでしょう。
- 季節ごとの電気使用量がわかる検針票や明細
- 停電時に使いたい家電の種類、消費電力、電圧
- オール電化か、ガスを併用しているか
- 既存の太陽光発電とパワコンのメーカー・型番
- 蓄電池の設置候補場所とハザードマップの情報
- 停電中に維持したい生活と、家族の介助・医療上の条件
見積もりは型番・工事範囲・保証条件をそろえて比較する
見積もり比較では、金額だけでなく、同じ条件で必要な機能が備わっているかを確認します。導入の基本ポイントの記事でも、工事範囲を含めた確認事項を整理しております。
- 型番、容量、初期停電時放電容量、自立運転時の出力
- 給電する回路、200V対応、切り替え方式
- 停電中の太陽光充電と再起動の条件
- 分電盤改修、基礎、配線などの施工範囲
- 機器・容量・施工に関する保証と費用負担
- 補助金を利用する場合の対象要件と申請の順序
「一式」の記載がある場合は、含まれる工事と追加費用の条件を確認します。補助金の内容は制度ごとに異なりますので、契約や着工前に最新の募集要項を確認してください。
電気以外の備えも組み合わせる
蓄電池で備えられるのは、蓄えた電力の範囲での給電です。断水や通信障害など、電気を確保しても解決できない問題への準備も必要になります。
飲料水、携帯ラジオ、モバイルバッテリーなどを備え、調理手段も検討してください。カセットコンロなどは製品の安全な使用条件に従います。住宅や機器に損傷がある場合は、蓄電池が動いていても安全な在宅生活を保証するものではございません。
株式会社ワン・ミニットは、ご家庭の電気使用状況に合わせて導入の検討をお手伝いしております。容量の数字だけで決めず、停電中の生活と住宅条件を整理してからご相談いただくとよいでしょう。
※本記事は一般的な確認事項を整理したものであり、特定製品の性能を保証するものではございません。仕様、施工条件、保証、運転方法は、検討する機種の資料と施工店・メーカーの案内でご確認ください。
災害対策の蓄電池についてよくある質問
停電時に蓄電池でエアコンは使えますか?
自立運転時の出力、対応電圧、給電回路などがエアコンの条件を満たせば使える可能性があります。100Vか200Vか、起動時の電力やほかの家電との同時使用も確認してください。
全負荷型と特定負荷型はどちらを選ぶべきですか?
停電時に使いたい設備と回路の範囲によって判断します。家全体の回路を対象にするか、必要な回路へ絞るかを考え、容量と出力も合わせて比較してください。同じ家電を同じ時間使うなら、給電方式の名称だけで使用時間は決まりません。
太陽光発電がなくても蓄電池だけで停電に備えられますか?
蓄電池単体でも、停電開始時に蓄えていた電力の範囲で給電できます。商用電源が停止し、ほかに対応した充電手段がなければ、電力を使い切ると給電が止まります。必要な時間と使用する家電を整理してください。
蓄電池が浸水した場合はどうすればよいですか?
浸水した蓄電池には触れず、再起動しないでください。安全な場所から販売店・施工店・メーカーへ連絡し、専門業者の案内に従います。周辺の浸水や損傷がある場合も、安全確認より先に操作することは避けてください。
蓄電池の保証はどのような内容ですか?
機器の故障、容量低下、施工不具合などについて、契約ごとに保証が定められます。対象、期間、測定条件、費用負担が異なるため、保証年数だけで判断しないことが大切です。自然災害の損傷が対象かも別途確認してください。
導入にあたって補助金は使えますか?
対象となる補助金制度があれば利用できる場合があります。対象機器、申請者の条件、申請時期、契約・着工の順序を最新の募集要項で確認してください。補助金の利用を前提に、承認前の工事を進めないことが重要です。
